激しい雷雨の夜、婚約者の野々村夕子に逢いに屋敷を訪れた佐川和彦は夕子の母から、半月前に起きた夕子の事故死を知らされる。夕子の死を信じられぬまま屋敷に泊まることになるが、雷鳴と共にかすかに女の泣き声が聞こえてくる。ある部屋の前に立ち止まりドアの鍵穴を覗くと誰かが座っている。その部屋に入り、クローゼットを開けるとそこに夕子が…その瞬間和彦は後方から誰かに殴られ気絶した。気がつきふと部屋の窓の外を見ると夕子の姿が――。
婚約者に逢いに行ったまま戻らない兄・和彦の消息を訪ね、佐川圭子は恋人の高木浩と共に和彦の婚約者だった夕子の屋敷を訪れる。だがそこで屋敷の主である夕子の母から夕子は死亡し、和彦は既に帰ったと告げられる。その言葉に疑惑を抱いた圭子は屋敷を探るうちに、ある部屋で和彦が夕子に贈ったはずのプレゼントを発見し、さらに夕子の墓のそばで、血の付いた和彦のカフスボタンを拾う。和彦がいることを確信し車の故障を口実に圭子と浩は屋敷に泊まることに。
その夜、部屋で二人は女のすすり泣く声を聞いた。ますます夕子の母を不審に思う圭子は屋敷に留まり夕子の母を警戒する。深夜、屋敷を探っていると血まみれの手にナイフを持つ夕子が――。二人は野々村家の過去と事故で亡くなった夕子の生い立ち、死亡した経緯を調査していく途上、死亡診断書から夕子の死亡時に立ち会ったある一人の医師をマークする。浩はその医師が営む医院で患者として通院していた人夫の男から、夕子は死後土葬された事実を聞き出す。圭子は和彦の消息を再び聞きただすため屋敷に戻った。
その夜、人夫の男は浩の要請で夕子の墓を掘り返し棺を開けると中にはマネキン人形が入れられていた。驚愕して逃げ出した男の前に夕子が――男の悲鳴を聞いた浩は直後、森の中を彷徨う夕子を目撃する。